建築家 梅田達也 の「家づくりアドバイス」その19

和みの空間が和室ならば
洋室はくつろぎの空間?

 五月の連休だから一つ骨休めにでも行きましょうか…という時に、リゾートホテルにするか温泉旅館にするか?
 洋室対和室の熾烈なる「和み合戦」が始まります。

 洋室の家具というものは、椅子にせよテーブルにせよベッドにせよ、最初からその部屋の用途にあわせてそこに設えられていて、御丁寧にも天井からシャンデリアなんぞがぶら下がっているダイニングルームのテーブルの位置などは、動かしたくとも動かし様がない。
 周囲は壁で囲まれていて、「入口はここです」と扉は主張をしているのです。

 それに比べて和室は、膳と座布団を人数分並べて何人でも集う事が出来るし、膳を片付けて布団を敷くと寝室へと早変わり。襖で囲まれ、出入りはどこからでもご自由にどうぞ。こうなって来ると和室の方が遥かに使い勝手が自由な風に思えて来ます。
 しかし、さにあらず。どう使ってもいいからこそ、どう使うかを使い手に必要以上に考えさせる。かくして様々なしきたりが登場する。

「どうぞお楽になさって下さい」と言われると余計に緊張をするというのも和室ならではです。

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